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四季折々の山登りで楽しめること (48)_錯覚探しをしながら楽しむ
2014.June.19
今日の関東地方は晴れ。つかの間の休みで、ノンビリと空を眺めながら、「もしかしたら山で時折遭遇する『疑似好天』(魔の青空?)かな」というには大げさですが、突然の強い雨の雰囲気も感じています。
6月12日に「南アルプス」と「只見」が「ユネスコのエコパーク」に新規登録が決まったとのニュースがありました。自然保護と活用の両立を目指す生物圏保存地域(エコパーク)に登録が決まっただけですが、そもそも、自然と人間社会の共生を目的に1976年に登録が始まった経緯があります。手つかずの自然を保護する目的の「世界自然遺産」と理念が異なっているのですが、何となく、「観光客を呼べる」といった視点だけが目立つニュースが多くあったような気がします。なお、エコパークと世界自然遺産に日本で双方が登録されているのは屋久島とのことです。さて、エコツーリズムに目を奪われて理念の錯覚がなく、双方共に求められている「厳格に保護される地域を維持」していけるかの努力を世界が見守っていることも意識すべきですね。
そして、同じ12日、2013年に発生した山岳遭難事故の集計結果が警察庁からのニュースとして伝えられました。統計が残っている(?)1961年以降で初めて2000件を超える2172件(うち死者・行方不明320人)とのことです。その背景として、中高年の登山ブームが続いていることや、例えば、富士山の世界文化遺産登録もあって、経験や準備不足の登山者が増えたこともあると伝えられています。
ここからは、私の勝手な直観ですが、中高年の皆さんは、体力的な衰えを素直に認めたうえで、殊更に「頑張らない」ことが必要かもしれません。特にグループで登山をなさる中高年が多いのですが、日本人の真面目というか律儀な性格もあって、疲労困憊していても同行の人たちを気にして「頑張り過ぎる」光景をよく目にします。また、一方で、自己が活動する登山に冒険的要素が常に内在することを意識することも必要な気がしています。
よく聞く言葉に、「登山によい季節」があります。渡航そのものに限られた機会しかない海外のツアー登山ならば理解できますが、山は春夏秋冬、様々な光景に出合う厳しさと楽しさがあります。もっとも、折角の機会ですので、楽しさ、心地よさを求めることに異論はありません。しかしながら、山岳遭難のニュースを聞くと、心技体の何れかで錯覚が起因しているような気がしています。勿論、私にも当てはまることです。
よく、登山歴が「ウン十年のベテラン」という話を聞きますが、もしかしたら、長年培った知識はあるが、自然の中では、常に人の力では対応し難いリスクがあることを必ずしも体感していないような人も多いような気がしています。つまり、然程のリスクを実体験していないことから生ずる錯覚が重なっての事故につながることも多いような気がしています。
天気も、ルートの状態も、自分自信の心技体も、多くがコントロールし難いことを、特に中高年は認識してもよいかと思います。一方で、若者は、より多くの冒険を楽しむために、思いもよらぬ状況が訪れる環境に踏み込んでみることも無駄ではないような気がします。
蛇足になるかと思いますが、写真は、雨期に最近辿った海外のモレーンを通るルートです。
写真で表現できていませんが、時節柄、当然、崩壊して大きな岩が今にも落ちてくる状況でした。勿論、肝心の登山ルートは、氷河に大きく口を開けたクレバス、雪崩の音を聞くことができます。そんな領域へ踏み込むことを推奨することはしませんが、登頂だけを目的にすると、そのような光景に出合う必要もありません。
また、丁度、今の時期に国内の少し高い山へ行くと写真のサラサドウダン(更紗灯台)に出会います。でも、実は、別名があります。何れが正しい名称か否かは専門家にお任せしますが、フウリンツツジ(風鈴躑躅)とも呼ばれます。更に、そのように答えても、専門家は変種 や独立種の名称でご教示くださるかもしれません。どこまでコダワルかは、それぞれの思いもあるかと思いますが・・・
花の話題をもう一つ。この季節は、道端で白い花を咲かせるドクダミ(毒痛み)の開花期です。ご存知の人も多いのですが、白い花びら(通常4枚)に見えるのは、総苞(花弁に見える部分)です。
花は、その上の棒状の花序に淡黄色の小花を密生させています。実は、日課のように散歩するルートに「八重」のドクダミに出会います。3年ほど前に気付いたのですが、今年も咲きました。ドクダミは繁殖力も強く、強い臭気もあることから毎年刈り取られていますが、ドッコイ、地下茎から力強く芽を出し、花を咲かせています。
まあ、よく目にする花でも、もしかしたら、別の名前で呼び合っているかもしれませんし、「八重」のように一般的な違う形態かもしれません。
人間、思い込みも、錯覚の一因ですね。
山では、心技体を素直に見据え、錯覚探しをしながら、千変万化を楽しみたいものです。
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[ 2014/06/19 10:51 ]
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